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がん患者もおしゃれして 宇都宮の美容室代表 ボランティアで支援活動(25/10/28)
10月は乳がんの早期発見・早期治療を啓発する、ピンクリボン運動の推進月間です。がんの患者もおしゃれをしてもらいたいと、宇都宮市の美容室経営者が支援の活動を続けています。

がんの放射線治療で毛が抜け落ち外見が変化した患者を、ボランティアで支援するのは、宇都宮市今泉町で美容室「アトラス」を29年間営業している、代表の江連潤さん58歳です。

支援を始めたのは、およそ15年前にがんを発病した常連客の女性のために、医療用の「ウィッグ」の制作に携わったことがきっかけでした。江連さんはこの体験のあと、仕事の傍ら東京都内のNPO法人の学校に通い、抗がん剤治療による脱毛や皮膚などの外見の変化に悩んだり苦しむ人を支援する、アピアランスケアの知識を習得しました。

2012年からは県立がんセンターで、放射線治療で抜けてしまった眉の描き方などや、ウィッグの知識を伝えるメイクセミナーを、現在までの13年間、定期的に行っています。

眉毛の脱毛に悩む患者は多く、中には治療の副作用で手や指がしびれ、眉を描くのが難しい人がいて、眉を描く際に便利なオリジナルの型紙、テンプレートを作成しました。店のスタッフと試行錯誤を繰り返し、耐久性や厚さなどから材質はシリコンゴムにたどり着き、形も何度も変えながら現在の物になりました。江連さんは「誰もが簡単に失敗しないで描けて、なるほどと思ってもらえる型紙になっている」と話します。

さらに、セミナーで知った患者の悩みや困りごとを解決する手助けにと、脱毛に関する解決策をまとめた冊子「安心ヘアガイド」も作成して、無料で配布しています。

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