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【秋の褒章】栃木県関係では13人受章 民生委員・児童委員を約24年 高根沢町の水沼喜代子さん(79)

さまざまな分野で功績があった人を国が称える「秋の褒章」の受章者が発表され、栃木県関係では13人が受章しました。

全国で「秋の褒章」を受章するのは、738人と24の団体です。このうち栃木県関係では、その道一筋に励んだ人に贈られる「黄綬褒章」に3人が、公共の仕事で顕著な功績があった人に贈られる「藍綬褒章」には10人が選ばれました。

「こんにちは、お元気ですか」「寒くなるので風邪を引かないようにね」

そう声をかけているのは、藍綬褒章を受章した、高根沢町の水沼喜代子さん(79)です。民生委員・児童委員をおよそ24年にわたって務めてきました。

民生委員・児童委員は、地域に住む人たちの身近な相談相手となり、相談内容に応じて支援を必要とする人たちを行政や専門機関につなぐパイプ役になっています。また、非常勤の地方公務員で、報酬はありません。水沼さんは月に1度、1人暮らしの高齢者や障がいのある人など5人の自宅をまわって体調を確認したり、交流や健康を目的に地域の人たちで集まるサロンへの参加を呼びかけたりしています。

(水沼さん)「みなさん(私の活動を)『人のためにやっていてすごい』などとほめてくださるけれど、人のためではなく自分のためでもあるんですよね。いろいろなことをすると、いろいろなことを知ることができる。それが好きなんですよね」

水沼さんは美容師として30年以上この町で髪を切りながら、地域の人と交流を深めてきました。その中で、1人暮らしの高齢の客から悩みを聞いたり、自治会で企画したそば打ちで子どもたちが喜んでくれたりした経験から、「地域にもっとつながりがあれば」という思いが強くなっていたところ、誘いを受けて民生・児童委員になりました。

そして「より住みやすい町にしたい」と考え地域の人たちと一緒に「ちょっ困応援隊」を1年前に立ち上げました。電球交換や草むしりなど町内の高齢者が生活の中で抱える「ちょっとした困りごと」を手伝うというもので、気軽に利用してもらおうと自宅にポストを設置しています。そのほか、子ども食堂などでも活動をしています。

地域の人に寄り添い、自分のできることを模索し続ける水沼さん。「あと1期3年は頑張りたい」と力を込めました。

「民生委員というのは、地域の声を聞いて上につなげる仕事。まだまだやることがあるので、つないでいきたいと思います」