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那須町でスマート畜産へ向けた実証実験 サーモカメラで子牛の体温管理

畜産を営む農家が体調の悪い子牛を早く見つけ、治療につなげられるようにと、サーモカメラを使って体温を管理する実証実験が那須町の牧場で行われています。

実証実験が行われているのは、那須町で黒毛和牛を飼育している敷島ファームです。通信事業者のNTTのグループ会社が、昨年度からスタートさせました。

県も支援する事業として、畜産業の重要な課題となっている子牛の高い死亡率に対して、ICT(=情報通信技術)を活用し発熱した子牛を早く見つけ治療を可能にする解決方法の導入を目指しています。

サーモカメラを使って、表面温度が高い子牛はモニター上に赤く表示されます。子牛の体調管理はこれまで目視で行われ、体調が悪そうな子牛を見つけた場合は体温を測定する流れでしたが、目視で分かる頃には症状が進行している場合もあり、命を落とすケースもあったということです。子牛の死因の大半は発熱した後に肺炎を引き起こし衰弱していたということです。

子牛の死亡による県内の畜産農家の損失は、毎年およそ15億円に上る試算データもあるということです。NTTドコモビジネス地域協創推進部門の吉岡凜香さんは実証実験で得られた解決方法を活用して、死亡率を7割ほど減らせると見込んでいて「体にセンサーを取り付けずに子牛の体温を測ることができる方法はまだ日本にはないので、この牧場から県内に広め、栃木県発のサービスとして日本全国に広めていきたい」と意気込みました。

実証実験に協力する、敷島ファームの五十嵐将光畜産事業部長は「非常に多い頭数を生産しているので、全頭の体調を把握するのは難しい。この実証実験が成功して、同じ生産者の方が同じように子牛を助けて、多くの牛を生産できればうれしい」と期待を込めました。