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国境を越える芸術の力 栃木市の小学生2人がウクライナの名門バレエ団と共演  

日本から遠く離れたウクライナでは、今もロシアによる侵攻が続いています。そうしたなか、先週、宇都宮市でウクライナの名門バレエ団による来日公演が開催されました。この大舞台に立った栃木市の小学生2人のバレリーナの卵たちに密着しました。

7月31日、宇都宮市でウクライナの名門バレエ団が来日公演を行いました。芸術の古都、キーウで歴史と伝統を受け継ぐウクライナ国立バレエは、2022年にロシアの侵攻が始まり、厳しい状況に置かれながらも活動を続け、2026年は、全国13カ所17公演が行われています。出演した30人の中で、子役としてプロのダンサーと共演した、栃木市の小学6年生、野澤麗禾さんと岡部路子さんです。子どもたちにプロと共演する機会を提供する「子役プロジェクト」の一環で抜擢されました。

6月下旬、栃木市のバレエ教室では、夢の大舞台に向けて練習に励む2人の姿がありました。4歳ごろからバレエを習い始めたという2人。バレエの魅力をたずねてみると・・・

(子役に抜擢 野澤麗禾さん)
「楽しく踊れるところが好き」

(子役に抜擢 岡部路子さん)
「自分が思ったことを体で表現できるところ」

2人が出演する演目は、古典バレエの傑作として知られる「ラ・バヤデール」第2幕より「壺の踊り」です。女性ダンサーと子役たちのかけ合いが見どころですが、ウクライナのダンサーとの練習は本番当日のみ。言葉を交わさないバレエでは、全身で気持ちを表現する難しさがあり、講師たちの指導にも熱が入ります。

本番当日、この日の朝に栃木県に入ったウクライナのダンサーたちと、初めて顔を合わせた2人。限られた時間でリハーサルを行いました。指導するのは、芸術監督の寺田宜弘さんです。寺田さんは、ロシアが侵攻を始めた年の12月、日本人として初めてウクライナ国立バレエの芸術監督に就任しました。「芸術を守りたい」と活動する寺田さんですが、ウクライナでは侵攻以来、チャイコフスキーなどロシア由来の演目を自粛する動きがあります。

(芸術監督 寺田宜弘さん)
「くるみ割り人形や白鳥の湖が踊れないことは残念だが必ず平和な時代が来ると信じている」

戦渦にあっても芸術の力を信じてあきらめない気持ちは、ダンサーも同じです。

(ウクライナ国立バレエ カテリーナ・デフチャローヴァさん)
「国が戦争の状態にあることはとても辛いが自分もウクライナの人たちを支えたい」

プロの姿を間近で見た2人。言葉は分からなくても、踊りで観客を魅了するのは世界共通です。2時間の公演で自分たちが出演するのは約3分間。悔いなく演じ切ろうと必死に食らいつく真剣さはプロにも負けていません。

(子役に抜擢 野澤麗禾さん)
「最後まで楽しく諦めずに踊りたい」

(子役に抜擢 岡部路子さん)
「観た人が場面を想像できるように踊りたい」

幕が開け、次々に披露される美しい舞や回転、ジャンプに来場した約900人が拍手を送ります。2人が出演するのは2部の後半。1部を終えた後の幕間では、最後の練習が行われていました。指導する高井蘭奈さんは現役のバレリーナですが教え子の出番が迫り緊張感が伝わってきます。

(とちぎバレエアカデミー 高井蘭奈さん)※高は「はしごだか」
「今日初めてウクライナのダンサーと合わせたので心配ではあるが練習してきたので楽しみながらできればいいな」

上手と下手から登場するため、これまでずっと一緒に練習を重ねてきた2人はここでお別れです。舞台袖から見るステージはまぶしく、鼓動が高まります。そして・・・

鳴り止まない拍手、ステージが成功したかどうかは言うまでもありません。

(子役を演じた 野澤麗禾さん)
「プロと共演して勉強になった。尊敬されるバレリーナになりたい」

(子役を演じた 岡部路子さん)
「プロは誰よりも楽しく踊っていたのでこれからも何事も楽しく諦めずに練習したい。楽しく感動を与えられるバレリーナになりたい」

戦渦のウクライナ・・・。芸術を絶やさぬよう国境を越えて人々を魅了し続ける人たちは、遠く離れた日本でひたむきに頑張るバレリーナの卵たちに大きな夢を届けました。
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