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日光・鬼怒川温泉「1泊2食付き」から「夕食は外で」 宿食分離の実験的な取り組み始まる

観光地として人気の高い日光市の温泉街で、宿泊施設の稼働率アップや街のにぎわいを取り戻そうと、地域が大手旅行会社と連携して実験的に行う新たな取り組みがスタートしました。

(小野嶺奈記者)
「東武鬼怒川温泉駅前です。こちらでは、ナイトマルシェというイベントが開かれていまして、平日にもかかわらず、大勢の人でにぎわっています」

9月30日の午後6時過ぎ、日光市の東武鬼怒川温泉駅の駅前広場には、夕食を求めてたくさんの観光客が集まってきました。

9月26日から新たにスタートしたのは「鬼怒川温泉ナイトマルシェ〜鬼のごちそう〜」です。日替わりキッチンカーが提供するおいしそうな看板メニューや、宿泊施設などが手掛ける自慢の弁当など、たくさんのごちそうが並びます。

(埼玉県から来た宿泊客)
「すごくいいです。昨日鬼怒川温泉に泊まりに来たんですけど、このイベントがあると聞いて追加で一泊しました」

(ドイツからの宿泊客)
「焼き鳥丼を食べました」

これは、鬼怒川温泉に素泊まりや朝食付きで宿泊する客に、夕飯を宿泊施設以外の飲食店で楽しみたいというニーズがあるかを調べようと、鬼怒川温泉の旅館協同組合と大手旅行会社JTBが実験的な試みとして取り組むものです。

宿泊と食事の場所を分ける「泊食分離」という考え方は、街の活性化にも繋がるとして全国の温泉地でもすでに取り入れられているといいます。

(近隣住民は)
「(近くの飲食店は)午後5時くらいに閉まってしまうのが多いです」

今回のナイトマルシェには、これまで夕食の時間帯に営業を終えていた近隣の飲食店も出店し、地域全体を巻き込んだ取り組みとなっています。JTBの担当者は「客が集まることを実感できれば、夜間営業で街がにぎわうきっかけになるのでは」と期待を寄せています。

また、鬼怒川温泉旅館組合の田中宏充事務長によりますと、新型コロナウイルスの影響で従業員が離職してしまい、人手不足に悩む宿泊施設では全ての客室をフル稼働できずに、稼働率は8割ほどにとどまっているといいます。

特に人手が必要となる食事の提供と宿泊を分けることができれば、宿泊施設は空き部屋の稼働に集中することができ、その結果、地域の飲食店のにぎわいに結びつくという「ウィンウィン」の関係が期待できるといいます。

田中事務長は取り組みで集めたデータを元に「泊食分離」という考え方が地域に馴染むかどうかを分析し、温泉街を持続可能な街にしていきたいと意気込みます。

(田中宏充事務長)
「今回来たお客様にはアンケートを取っているので、「泊食分離」の需要や、鬼怒川温泉に寄せられる期待を調べて、行政が進める駅前整備にも今回のデータを生かしてもらえたらと思います。新しいものを取り入れながら、鬼怒川温泉独自のものを作っていければ」

マルシェは10月5日まで毎晩午後5時から午後10時まで、開かれています。
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