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県内ニュース

東日本台風から6年 巴波川(栃木市)では地下トンネルの工事進む 床上浸水被害防止へ

県内に甚大な被害をもたらした2019年の東日本台風からまもなく6年です。近年激しさを増す水害を防ごうと、県内では様々な対策が進められています。

今からおよそ6年前に発生した東日本台風により、県内では4人が亡くなり、23人がケガをしました。栃木市を流れる永野川や佐野市を流れる秋山川などでは堤防が決壊して住宅などが浸水。甚大な被害をもたらしました。

そして、栃木市の中心市街地を流れる巴波川は、当時大雨の影響で川があふれ、市内の2千戸以上が浸水被害を受けました。

県は、巴波川の増水に備えて、バイパスとなる地下トンネルを整備する工事を2023年9月から進めています。県栃木土木事務所改良復旧課の荒川裕利課長が案内してくれました。

トンネルの大きさは直径およそ5.5メートルで、市の中心部の県道の地下などを利用してつくられています。巴波川が一定の水位になった場合、この地下トンネルに流す構造になっていて、完成すると、東日本台風と同じくらいの規模の洪水ならば床上浸水の被害が防げるということです。

地下にトンネルをつくるという珍しい方法で復旧改良工事が行われているのは、川沿いが「蔵の街」として歴史的建造物などの観光資源が立ち並んでいて、その景観を守るため、川の拡幅による改修が困難な状況にあるからです。

地下トンネルはおよそ2.4キロ通す計画で、県栃木土木事務所改良復旧課の荒川裕利課長は「現在およそ500メートル進んでいる。市内にある室町交差点の少し先の部分です」と教えてくれました。2027年度中の完成を目指して、1日に10メートルほどずつ工事が進んでいます。

市民の安全のために現場では着実に作業が進められていました。

荒川課長は「市民の安全・安心を守るためのもの。事業が進むことで、地域の安全性が高まると考えています」と強調した上で「ご理解とご協力いただければありがたい」と話しました。

県によりますと、被害のあった河川836カ所、道路162カ所、砂防56カ所、橋27カ所、公園など39カ所、あわせておよそ1120カ所で被災前と同じ状態に戻す原形復旧工事が終わっています。同じ規模の大雨に耐えられる「改良復旧工事」については対象となった7つの河川のうち、3つの河川では工事が終わり、巴波川を含む4つの河川では現在も進められています。県の河川課は「1日も早い完了を目指し工事を進めていく」とコメントしています。