今市事件発生から20年 学校関係者ら 墓前で地域で子どもを守る誓い新たに
旧今市市・現在の日光市で、当時小学1年生の女の子が殺害された今市事件の発生から1日で20年が経ちました。学校関係者などが女の子の眠る墓の前で冥福を祈り、地域で子どもを守る誓いを新たにしました。
今から20年前の2005年12月1日、旧今市市(現在日光市)の大沢小学校1年吉田有希ちゃん(当時7)が下校途中に行方不明になり、翌日、茨城県の山林で遺体となって発見されました。
1日で事件の発生から20年。霜が降りるほど冷え込んだ午前7時30分過ぎ、有希ちゃんがさらわれたとされる三叉路やその周辺の通学路では、児童たちが地域の人に見守られながら登校する姿が見られました。
事件後に発足した保護者や地域住民、教職員でつくる「大沢ひまわり隊」は、子どもを一人にしないよう、集団で登校する児童に付き添うなど見守り活動を続けています。
有希ちゃんが眠る日光市の墓には学校関係者やひまわり隊の隊員など8人が訪れ、花を供えて冥福を祈りました。
初代隊長で前の日光市長の粉川昭一さんらは改めて地域の防犯を誓いました。
粉川さんは「もう20年も経ったのかと。(事件のことは)昨日のように思い出される。子どもたちを守ろうという気持ちは地域の人たちも持っているので、その気持ちを引き続き持ち続けていきたい」と強調しました。
隊長を務める大杉さゆりさんは「20年経ち、隊員の数も減ってきている。周りの協力を得ながら、引き続き活動できるようにしていきたい」と話しました。
高齢化や少子化の影響で発足当初500人ほどいた隊員は、現在、218人まで減っています。
一方で、長く保護者が迎えに来る形を取っていた下校は、保護者へのアンケートなどで意向を確認し、2024年10月からは大人が付き添って集団で行うようにし、今年度からは児童のみでの下校に戻しました。
学校では、地域や家の周りで人通りが少ない場所や、危険が高いと思う場所のマップを作り情報を共有してきました。危険を感じた時に駆け込める「子ども110番の家」の場所も書き込まれています。
大沢小学校の大森真弓校長は「児童が下校する時間になると、この事件のことを思い出して、家に無事帰ってほしいという思いで毎日過ごしています。子どもたちには安全への意識をしっかりつけてもらい、自分の命を守れるようにしてもらいたい」と話します。
また、この事件を巡っては、殺人罪などで起訴された勝又拓哉受刑者の無期懲役が2020年に確定していますが、勝又受刑者や支援者は冤罪を訴えていて、今年7月には再審請求するために新たな弁護団が結成されました。
弁護団の事務局長・泉澤章弁護士は、DNA型の再鑑定で真犯人の存在が明らかになり再審無罪となった足利事件の弁護団の一員です。再審を求める際に必要となる「明確な新証拠」を探していますが、今市事件は、DNA型という明確な新証拠を出すことができた足利事件とは状況が異なると話します。
「母親に宛てた手紙や、Nシステムなど、複数の証拠が有罪を支えている。はたしてそれらの証拠が有罪を支える証拠としてどれだけ力があるか。そして、新証拠によって影響を少なくしていけるかだ。多角的に証拠について吟味し、新証拠の可能性も含めて検討している。(再審請求は)なるべく早く行いたい」
今から20年前の2005年12月1日、旧今市市(現在日光市)の大沢小学校1年吉田有希ちゃん(当時7)が下校途中に行方不明になり、翌日、茨城県の山林で遺体となって発見されました。
1日で事件の発生から20年。霜が降りるほど冷え込んだ午前7時30分過ぎ、有希ちゃんがさらわれたとされる三叉路やその周辺の通学路では、児童たちが地域の人に見守られながら登校する姿が見られました。
事件後に発足した保護者や地域住民、教職員でつくる「大沢ひまわり隊」は、子どもを一人にしないよう、集団で登校する児童に付き添うなど見守り活動を続けています。
有希ちゃんが眠る日光市の墓には学校関係者やひまわり隊の隊員など8人が訪れ、花を供えて冥福を祈りました。
初代隊長で前の日光市長の粉川昭一さんらは改めて地域の防犯を誓いました。
粉川さんは「もう20年も経ったのかと。(事件のことは)昨日のように思い出される。子どもたちを守ろうという気持ちは地域の人たちも持っているので、その気持ちを引き続き持ち続けていきたい」と強調しました。
隊長を務める大杉さゆりさんは「20年経ち、隊員の数も減ってきている。周りの協力を得ながら、引き続き活動できるようにしていきたい」と話しました。
高齢化や少子化の影響で発足当初500人ほどいた隊員は、現在、218人まで減っています。
一方で、長く保護者が迎えに来る形を取っていた下校は、保護者へのアンケートなどで意向を確認し、2024年10月からは大人が付き添って集団で行うようにし、今年度からは児童のみでの下校に戻しました。
学校では、地域や家の周りで人通りが少ない場所や、危険が高いと思う場所のマップを作り情報を共有してきました。危険を感じた時に駆け込める「子ども110番の家」の場所も書き込まれています。
大沢小学校の大森真弓校長は「児童が下校する時間になると、この事件のことを思い出して、家に無事帰ってほしいという思いで毎日過ごしています。子どもたちには安全への意識をしっかりつけてもらい、自分の命を守れるようにしてもらいたい」と話します。
また、この事件を巡っては、殺人罪などで起訴された勝又拓哉受刑者の無期懲役が2020年に確定していますが、勝又受刑者や支援者は冤罪を訴えていて、今年7月には再審請求するために新たな弁護団が結成されました。
弁護団の事務局長・泉澤章弁護士は、DNA型の再鑑定で真犯人の存在が明らかになり再審無罪となった足利事件の弁護団の一員です。再審を求める際に必要となる「明確な新証拠」を探していますが、今市事件は、DNA型という明確な新証拠を出すことができた足利事件とは状況が異なると話します。
「母親に宛てた手紙や、Nシステムなど、複数の証拠が有罪を支えている。はたしてそれらの証拠が有罪を支える証拠としてどれだけ力があるか。そして、新証拠によって影響を少なくしていけるかだ。多角的に証拠について吟味し、新証拠の可能性も含めて検討している。(再審請求は)なるべく早く行いたい」
