自動運転バス走行に前進 下野市で新年度にも「レベル4」導入目指す 栃木県が取り組み報告
クルマ社会と言われる栃木県では、国の支援などを受けて自動運転バスの実証実験を続けています。2025年度は「下野市」と「小山市」、そして「日光市」の3カ所で行われ、23日県庁で今年度の実証実験の結果が報告されました。このうち「下野市」では一定の条件の下で運転手なしで自動運転ができる「レベル4」の許認可の取得に向けて新年度に関係機関と協議を進めます。全国で取り組みが行われる中、栃木県でも自動運転のバスが走る未来が見えています。
(県交通政策課・橋本達雄課長)「今年度は3カ所において国の補助金の採択を受け実証実験を実施し、その中で『県内初のレベル4の実現が見えて来た』こともあり、栃木県ABCプロジェクトからの取り組みに一定の成果が出ている。
23日、県庁で行われた「無人自動運転移動サービ推進協議会」です。本来、運転手が行う動作を高度な自動運転の技術でカバーして走る「自動運転バス」。
運転手の高齢化や担い手不足の解消につなげ地域の公共交通を維持するため、全国で取り組みが進んでいて茨城県境町や福井県永平寺町、愛媛県松山市では既に、一定の条件の下で運転手なしで自動運転ができる「レベル4」を導入しています。
(1月、小山市で講演した小野田紀美大臣)「地元で暮らしたいけどクルマがなかったらどうにもならない、動かない。じゃあ無理となる。これから人口減少地域の公共交通を救うのは自動運転、これをなんとか早くしたいと思っています」
栃木県では2020年度から4年間、「ABCプロジェクト」と名付けた検証事業を各地で行ってきました。その後は協議会を立ち上げてレベル4での自動運転の実現に向けた取り組みを続けています。
(宇都宮大学地域デザイン科学部 阪田和哉准教授)「栃木県は車社会ということもあり、公共交通を必要とする人もいるが身近ではないと感じられる人も多い地域ではある。しかしこうした新しい技術が入ってきて、普通にクルマを運転する人にとっても、共に道路を使う交通手段として自動運転が現れてくることで交通ルールへの理解・意識も変わってくるところもあると思う。地域をより暮らしていきやすい状況にするためにも検討していく価値のある地域だと思っている」
今年度は、下野市、日光市に加え新たに小山市で実証実験が行われました。小山市のルートはJR小山駅西口から商業施設のハーヴェストウォークを結ぶ片道およそ3キロの区間で1日12便の自動運転バスを運行しました。下野市と小山市の実験は県内路線バス大手の関東自動車を傘下に持つ「みちのりホールディングス」。そして日光市は東武鉄道が担当して、データを集めています。
(県交通政策課・公共交通担当稲川聡主任)「下野市は今年で3回目。『レベル4』に向けた知見を集約している地域。小山市は今年度が1年目。自動運転は実証運転を行うだけでも高額な費用がかかるが、今回は先行する下野市と小山市で車両を共通化などの実証を行い、事業コストをどれだけ低減できるかなどの実験も合わせて行った。」
「日光市は「奥日光の低公害バス」と「中禅寺温泉」の2路線で実施。運転手不足など課題を抱えており、自動運転バスがどのような形で寄与できるか検証している」
県内で「レベル4」に最も近い下野市は今年度、前の年の実証実験で出たシステムが危険を検知した際運転手が操作を引き継ぐ「手動介入」を減らすための取り組みを実施。具体的には駅のロータリーのバス停付近に一般の車両が止まっている場合、LEDの表示板や音声で移動するよう促したり、交差点を安全に曲がれるよう信号が変わる情報をバスに伝達する仕組みを作ったりして、スムーズな運行に繋げました。4月以降、一定の条件の下で運転手なしで自動運転を行う県内初の「レベル4」の許認可の取得を目指します。
また、小山市では市が運営する「おーばす」の一部の路線の利用が集中し、既存のダイヤでは対応しきれないなどの課題がありました。去年11月の実証実験では13日間で517人が乗車し、アンケートに回答した市民のうちおよそ7割が「無人の自動運転バスの導入に賛成」していて、バスを実際に利用した9割の人が「危険を感じなかった」「また利用しても良い」と答えたことが報告されました。一方、危険と感じた人からは「前後の車両との車間距離が狭い」「スピ―ドを落とすときのタイミングが遅い」などの声があり、自動運転技術の検証や利用者以外への理解の向上を目指す必要があるとしました。
また、隣り合う下野市と小山市でバスを共有して運行した場合は人件費や監視システムのコストなどを15%ほど削減できる効果も見込めると報告されました。
日光市については奥日光の低公害のバス路線は「レベル4」が近づいているとしますが、一方で事業性や運行面での課題について検証を進めていく方針です。
(県交通政策課・公共交通担当稲川聡主任)「そもそも公共交通のサービス、それを担う運転手の数はどんどん減っていて、今の状態での維持は難しい。さらに少子高齢化で、今はマイカーでも今後乗れなくなる人が出て、『移動の不便』が広がる可能性がある。『誰しもが安全に移動でき、快適に生活できる』ために自動運転は期待できる技術だと思います」
(宇都宮大学地域デザイン科学部 阪田和哉准教授)「今回「レベル4」にチャレンジしたいという地域もあったんですが、来年度という雰囲気になっている。着実に自動運転を活用できる環境が栃木県では先進的に進んで来ている。これがさらに他の自治体の公共交通や移動サービスなどにつながっていったり、車両だけを良くすればいいわけでもなく、歩行者の方がどう感じるか、そういった環境を整えながら、地域の中で、皆さんの暮らしをどう変えていくか関心を持ちながらサービスをいかに賢く活用できる街・地域にしていくかの観点で進めていけると良い」
県によりますと2019年から2023年までの5年間で乗合バスの運転士の数はおよそ15%減り、それに伴ってバス路線は2024年と2025年の2年間で3系統が廃止、少なくとも438便が減らされました。公共交通がこれまで通りのサービスを提供することが困難となる中、自動運転バスと共存する社会がすぐそこに来ています。
(県交通政策課・橋本達雄課長)「今年度は3カ所において国の補助金の採択を受け実証実験を実施し、その中で『県内初のレベル4の実現が見えて来た』こともあり、栃木県ABCプロジェクトからの取り組みに一定の成果が出ている。
23日、県庁で行われた「無人自動運転移動サービ推進協議会」です。本来、運転手が行う動作を高度な自動運転の技術でカバーして走る「自動運転バス」。
運転手の高齢化や担い手不足の解消につなげ地域の公共交通を維持するため、全国で取り組みが進んでいて茨城県境町や福井県永平寺町、愛媛県松山市では既に、一定の条件の下で運転手なしで自動運転ができる「レベル4」を導入しています。
(1月、小山市で講演した小野田紀美大臣)「地元で暮らしたいけどクルマがなかったらどうにもならない、動かない。じゃあ無理となる。これから人口減少地域の公共交通を救うのは自動運転、これをなんとか早くしたいと思っています」
栃木県では2020年度から4年間、「ABCプロジェクト」と名付けた検証事業を各地で行ってきました。その後は協議会を立ち上げてレベル4での自動運転の実現に向けた取り組みを続けています。
(宇都宮大学地域デザイン科学部 阪田和哉准教授)「栃木県は車社会ということもあり、公共交通を必要とする人もいるが身近ではないと感じられる人も多い地域ではある。しかしこうした新しい技術が入ってきて、普通にクルマを運転する人にとっても、共に道路を使う交通手段として自動運転が現れてくることで交通ルールへの理解・意識も変わってくるところもあると思う。地域をより暮らしていきやすい状況にするためにも検討していく価値のある地域だと思っている」
今年度は、下野市、日光市に加え新たに小山市で実証実験が行われました。小山市のルートはJR小山駅西口から商業施設のハーヴェストウォークを結ぶ片道およそ3キロの区間で1日12便の自動運転バスを運行しました。下野市と小山市の実験は県内路線バス大手の関東自動車を傘下に持つ「みちのりホールディングス」。そして日光市は東武鉄道が担当して、データを集めています。
(県交通政策課・公共交通担当稲川聡主任)「下野市は今年で3回目。『レベル4』に向けた知見を集約している地域。小山市は今年度が1年目。自動運転は実証運転を行うだけでも高額な費用がかかるが、今回は先行する下野市と小山市で車両を共通化などの実証を行い、事業コストをどれだけ低減できるかなどの実験も合わせて行った。」
「日光市は「奥日光の低公害バス」と「中禅寺温泉」の2路線で実施。運転手不足など課題を抱えており、自動運転バスがどのような形で寄与できるか検証している」
県内で「レベル4」に最も近い下野市は今年度、前の年の実証実験で出たシステムが危険を検知した際運転手が操作を引き継ぐ「手動介入」を減らすための取り組みを実施。具体的には駅のロータリーのバス停付近に一般の車両が止まっている場合、LEDの表示板や音声で移動するよう促したり、交差点を安全に曲がれるよう信号が変わる情報をバスに伝達する仕組みを作ったりして、スムーズな運行に繋げました。4月以降、一定の条件の下で運転手なしで自動運転を行う県内初の「レベル4」の許認可の取得を目指します。
また、小山市では市が運営する「おーばす」の一部の路線の利用が集中し、既存のダイヤでは対応しきれないなどの課題がありました。去年11月の実証実験では13日間で517人が乗車し、アンケートに回答した市民のうちおよそ7割が「無人の自動運転バスの導入に賛成」していて、バスを実際に利用した9割の人が「危険を感じなかった」「また利用しても良い」と答えたことが報告されました。一方、危険と感じた人からは「前後の車両との車間距離が狭い」「スピ―ドを落とすときのタイミングが遅い」などの声があり、自動運転技術の検証や利用者以外への理解の向上を目指す必要があるとしました。
また、隣り合う下野市と小山市でバスを共有して運行した場合は人件費や監視システムのコストなどを15%ほど削減できる効果も見込めると報告されました。
日光市については奥日光の低公害のバス路線は「レベル4」が近づいているとしますが、一方で事業性や運行面での課題について検証を進めていく方針です。
(県交通政策課・公共交通担当稲川聡主任)「そもそも公共交通のサービス、それを担う運転手の数はどんどん減っていて、今の状態での維持は難しい。さらに少子高齢化で、今はマイカーでも今後乗れなくなる人が出て、『移動の不便』が広がる可能性がある。『誰しもが安全に移動でき、快適に生活できる』ために自動運転は期待できる技術だと思います」
(宇都宮大学地域デザイン科学部 阪田和哉准教授)「今回「レベル4」にチャレンジしたいという地域もあったんですが、来年度という雰囲気になっている。着実に自動運転を活用できる環境が栃木県では先進的に進んで来ている。これがさらに他の自治体の公共交通や移動サービスなどにつながっていったり、車両だけを良くすればいいわけでもなく、歩行者の方がどう感じるか、そういった環境を整えながら、地域の中で、皆さんの暮らしをどう変えていくか関心を持ちながらサービスをいかに賢く活用できる街・地域にしていくかの観点で進めていけると良い」
県によりますと2019年から2023年までの5年間で乗合バスの運転士の数はおよそ15%減り、それに伴ってバス路線は2024年と2025年の2年間で3系統が廃止、少なくとも438便が減らされました。公共交通がこれまで通りのサービスを提供することが困難となる中、自動運転バスと共存する社会がすぐそこに来ています。
