×
Menu
とちテレHOME

栃木の今が分かる!!NEWS 栃木の今が分かる!!NEWS

県内ニュース

春の叙勲、栃木県内からは57人 鹿沼市の養蜂業黒田さんに旭日双光章

この道一筋に力を尽くしてきた人に贈られる、春の叙勲が29日発表され、栃木県の在住者では57人が受章しました。

栃木県の在住者では、政治や企業経営などで功績をあげた人に贈られる旭日章には、旭日中綬章の元県議小林幹夫さんら18人、公共の仕事に長年携わり成果を残した人に贈られる瑞宝章を、39人が受章しました。

旭日双光章を受章した、鹿沼市の養蜂園経営黒田雄一さん71歳です。

黒田さんは鹿沼市で、およそ100年続くはちみつを作っている、養蜂一家の3代目です。養蜂業は祖父の長一さんが始め、物心がついたころにはミツバチがそばにいる暮らしが日常だったと、当時を振り返る黒田さん。この道に進むのは当然と思い、大学校卒業後にはそのまま養蜂園に就職します。

2006年に社長となり、2011年からは県養蜂組合の組合長を6年務めるなど、業界の発展にも貢献してきました。

養蜂の仕事は午前中にはちみつを採り終えるため、早朝からの仕事になることもしばしば。今でも日光市の栗山地区や足尾地区で仕事をするときは、午前4時ごろに起きて現場に向かいます。県養蜂組合の副会長だった2008年には、宇都宮市本町の県庁合同ビルの屋上で、トチノキからはちみつを採ろうという「県庁みつばちプロジェクト」を企画して、実現させました。

県内の養蜂業者は、現在およそ90人の組合員がいて、イチゴなどに受粉し花粉交配を助けるミツバチを貸し出したり、はちみつを採取するなどさまざまです。黒田さんは若い人たちにこそ、どんどんこの業界に入ってきてほしいと願います。

養蜂業はミツバチという生き物と自然を相手にする仕事で、苦労も多いと言いますが、何より一番の課題は、宅地や太陽光発電などの開発で、トチノキやクリの木など、はちみつの原料になる大切な木々が年々減っていることです。

「ミツバチはかわいくて大切にしていきたいし、はちみつを採っているときは無になれて楽しい」と、黒田雄一さんは生涯現役を願い、これからもミツバチとともに進んでいく決意です。
画像1