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住宅地でのクマの緊急銃猟可能に 1日に改正法施行 栃木県内の関係者の反応は

各地でクマに人が襲われる被害が相次ぐ中、市街地で一定の条件を満たせば銃を使った捕獲を可能にする制度が1日から始まりました。栃木県内でもことし、人的被害が立て続けにありクマがせい息する地域の関係者の反応を取材しました。

森ではなく、建物の中を徘徊するクマ。この映像は、2年前の8月に、奥日光・中禅寺湖の近くの宿泊施設の防犯カメラに映っていたものです。ことし6月と7月には、那須塩原市でクマに人が襲われる被害が立て続けに3件あり、このうちの1件は、山から離れた住宅街で発生しました。

クマに襲われた男性:「出血が止まらなかった」

北海道や東北でもクマに襲われる被害が相次いでいて、クマによる人的被害は、ことし4月から7月にかけて全国で55人に上り、過去最多だった2023年度の同じ時期と同じ水準となっています。

こうした被害を防ぐため1日、改正鳥獣保護管理法が施行されました。住宅地など人の日常生活圏に現われ危害を及ぼす恐れが大きいクマなどを「危険鳥獣」に指定し市町村のトップが緊急的に銃を使った捕獲をハンターに委託できます。これまでは、住宅集合地域では銃を使った捕獲を原則禁止し危険が迫ってから警察官がハンターに発砲を命じる仕組みでした。新しい制度で自治体は、ハンターなどと地図を見ながら安全確保の計画を立て実施要件を満たしていれば、銃での猟を可能とします。

市の面積の9割以上を森林が占める日光市。住民からクマへの対応を求める声が多く、去年、狩猟免許を取得し、地元の猟友会に所属する瀬高哲雄市長は、新しい制度をこう受け止めます。

瀬高日光市長:「緊急的に対応できることが少し前進した程度の認識。
        市街地で条件整って発砲は相当ハードル高いのではないか」

一方、7月に那須塩原市で人がクマに襲われた際に出動したハンターは。

ハンター:「責任を自治体がきちんと負ってくれるなら撃つ。
      出動要請などはほぼボランティア、危険を冒してまで撃ちたくない」

栃木県猟友会では、全国組織の大日本猟友会から8月8日付けで新しい制度に協力を求める通知があったことから、この意向に従うとしています。一方、ヒグマによる被害があった北海道猟友会では、人身事故が起きた場合のハンターへの補償が十分でないとして自治体の発砲要請に応じないことを容認する方針を示しました。

改正法によって迅速な対応が期待されますが自治体の体制整備や安全確保、専門知識のある職員の人材育成が課題となります。県は9月末に、今回の改正法に関係する初めての訓練を実施する予定です。