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【特集】栃木県子ども科学館リニューアル(前編)「AIやARなど最新技術『未来』考える展示約160点」

1988年の開館以来、栃木の子どもたちに科学の楽しさを伝え続けてきた「栃木県子ども総合科学館」が10月3日いよいよリニューアルオープンします。今回の改修工事ではおよそ240点あった展示を160点程度に再編し、人口知能(AI)や拡張現実(AR)など新たな技術を生かして子どもたちが体験しながら科学を楽しめるようにしています。2回にわたって新しい科学館の見どころを特集でご紹介します。

2023年の年末からおよそ1年9カ月にわたって休館していた栃木県子ども総合科学館が10月3日、リニューアルオープンします。

およそ33億円の事業費をかけた新たな展示のコンセプトは「未来に生きる自分を想像/創造する」で人間の動きを取り込む「モーションピクチャー」やデジタル技術などを積極的に採用。

館内を「宇宙」や「地球」、「生命」「くらし」「環境」などのゾーンに分けて、それぞれに『シンボル展示』と呼ばれる大型の展示を設置し、目で見て体験して、訪れる人を科学の世界にいざないます。

科学館に勤務して30年を超える一番のベテラン、室岡久男副館長と、この春新たに採用された山村哲生さんの2人が館内を案内してくれました。

(室岡久男副館長)「こちらは地球ゾーンのシンボル展示『ダイナミックアース』です」

「ダイナミックアース」は大型の地球儀の表面に黒潮や偏西風など海水や大気の流れを映し出す展示です。275インチ相当のプロジェクションマッピングに映し出される映像はクリアで迫力があり、思わず引き込まれてしまいます。

そしてこちらは「生命ゾーン」のシンボル展示の「シンクロナイズドヒューマン」です。さまざまな体の仕組みを巨大な人型に映して解説していきますが、参加した人の体の動きなどに呼応してダンベルを持ち上げたときの筋肉や体をくすぐったり熱いものに触ったときの反応などを見ることができます。

今回は、食べ物を食べて消化するまでの体内の動きを人型で学んでみます。

(室岡久男副館長)「こちらは、食べ物を取り入れると人体の中をどう通り抜けていくのかを見ることができるコーナーです。お口に食べ物を入れていくと、モグモグと食べます。どんどん食べさせると消化して……最後に何が起きるでしょうか?」

宇宙ゾーンのシンボル展示は「スペースシアター」。天井に設置された大型スクリーンで集団で誕生して星団を作る「星」の一生などを紹介します。

また「グラビティジャンプ」は月は地球の6分の1、冥王星は16分の1といったように惑星の重力の違いをジャンプの高さで体験することができます。

くらしゾーンは衣食住やモビリティ(乗り物)、IT技術などを紹介します。

(室岡久男副館長)「続きましてくらしゾーンに進みます。くらしゾーンは衣食住や乗り物関係、IT技術などを扱ったコーナーになっています。…こちらは『音楽研究スタジオ』です。複数のコマを床のグリッドに置くと、その組み合わせをセンサーで検出していろんな作曲ができます」

今回のリニューアルでは栃木県内に拠点がある企業とコラボレーションしたコーナーもあります。ホンダは再利用の樹脂でボディを作った環境にやさしい車を紹介、そして日産自動車はスーパーカー「GTーR」のエンジンなどを展示しています。そのほか、NTT東日本やキヤノンメディカル、マニーやナカニシ、村田発條などの企業が協力しています。

一方、以前から人気の高い展示ももちろん残されていて、今回は「ななめの部屋」にカメラマンが入ってみました。「ななめの部屋」は中に入ると床が傾いていることで平衡感覚が狂ってしまい、その視覚体験を味わうもの。平衡感覚に自信があるカメラマンも戸惑った様子でしたが真っすぐ立つと実際はこんな感じです。

栃木県子ども総合科学館はリニューアルオープンに合わせたネーミングライツで、愛称が「コジマ子どもサイエンスパーク」になります。

神山正幸館長は「見て触れて考える展示」、栃木らしさを持ち、多くの人に愛される施設を目指したとしています。

(山村哲生さん)「今、再オープンに向けて大詰めです。お客様が来館された時にどうご案内するか、安全に楽しく見てもらうにはどんなところに気をつけるか、日々皆で再確認してどう動くかを詰めています」

(室岡久男副館長)「新しくなった科学館には家では体験できない大型の展示、動く展示がたくさんあります。まずはぜひ、それらを体験して見てほしい。来るたびに発見があると思うので何回も来てもらって、新たな発見を見つけて帰ってほしい」

小学校に入る前の子ども達から以前の科学館を知る幅広い世代まで、「未来」を体験できる最新鋭の展示の数々が皆さんを待っています。
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