【報道特集】植樹400年の日光杉並木街道 次世代へ ボランティア「杉の並木守」に若い世代も
日光杉並木街道は、植樹が始まってから今年で400年という長い歴史があります。貴重な文化財を後世に残していこうと、保全活動に取り組むボランティアの中には若い世代の姿もあります。その思いを聞きました。
日光杉並木街道は、日光・例幣使・会津西の3つの街道からなり、長さは合わせて37キロ。日光東照宮にまつられる徳川家康へ尊敬の気持ちを示すため、家康の家来が東照宮の参道として杉を植えたとされ、今年、植樹開始から400年です。
400年続いてきたこの景観を守ろうと、ボランティア活動を続けている人たちがいます。蒸し暑い8月の朝、日光市大沢町の杉並木のそばに人が集まってきました。
「おはようございます。今日も頑張りましょう」
集まった8人は、阿吽の呼吸で持ち場に移動すると、慣れた手つきで木の側に生えている雑草をどんどん刈り取っていきます。彼らは「杉の並木守(なみきもり)」と呼ばれる、杉並木の保護活動に取り組むボランティアです。
並木守の活動は、県が音頭を取り2008年度から始まりました。今年4月の時点で115人と2つの法人が登録していて、11の班に分かれて毎月1回草刈りやごみ拾いをしています。
「(活動から)13年くらいです」「今年で12年目です。400年も続く杉並木を守っていきたいと思ったので」
並木守の活動が始まってから十数年経ち、活動歴10年以上のベテランが多い中、若い世代の姿も見られます。
この班で最も若いのが、日光市に住む荻野成美さん(34)です。荻野さんは埼玉県生まれ。6歳の頃に父親の仕事の都合で、日光市に引っ越してきました。
身近にある、見慣れた風景の日光杉並木街道を文化財だと強く実感するようになったのは、小学6年生の頃でした。
「夏休みの宿題で、文化財をテーマにポスターを描き応募しました。修学旅行で見た鎌倉大仏を描いて(入選して)展示会場に行くと、日光杉並木街道が題材になっている絵が多かったんです。この地域にとっての文化財といえば、日光杉並木街道なんだと肌で感じた出来事でした」
その後、中学生の時、校外学習で杉並木の清掃活動をした経験から「自分にもできることがある」と思い、並木守に。アウトドアや自然が好きだったことも影響しました。
並木守の活動に感謝の気持ちを込めて、杉を所有する日光東照宮から年に1回贈られる絵馬は4枚目になりました。
ボランティアを続けている理由を聞くと「休憩の時間などに先輩の並木守と話をするのが楽しい」といいます。日光市外から来ている人もいて、住んでいる地域も年代もバラバラです。
「年上の人からの話・経験則を聞くのが好き。皆さん親切にしてくださって、そののおかげで(続けられている)」
並木守は長く続けているメンバーも多く、現在70代が最多と高齢化しています。
「ベテランの方がいるうちに、受け継ぐものは受け継いでいきたい。経験や、アクシデントの処置法など、元気な(次の)世代がつないでいけたらと思います」
荻野さんは「杉並木街道を守るぞ!」という志を持っている人はもちろんですが、若い世代が「何かいいことをしたい」「自然が好き」という気持ちで参加をしてくれることも大歓迎だと話します。400年続いたこの景観を次世代に引き継いでいくために並木守の活動は続きます。
日光杉並木街道は、日光・例幣使・会津西の3つの街道からなり、長さは合わせて37キロ。日光東照宮にまつられる徳川家康へ尊敬の気持ちを示すため、家康の家来が東照宮の参道として杉を植えたとされ、今年、植樹開始から400年です。
400年続いてきたこの景観を守ろうと、ボランティア活動を続けている人たちがいます。蒸し暑い8月の朝、日光市大沢町の杉並木のそばに人が集まってきました。
「おはようございます。今日も頑張りましょう」
集まった8人は、阿吽の呼吸で持ち場に移動すると、慣れた手つきで木の側に生えている雑草をどんどん刈り取っていきます。彼らは「杉の並木守(なみきもり)」と呼ばれる、杉並木の保護活動に取り組むボランティアです。
並木守の活動は、県が音頭を取り2008年度から始まりました。今年4月の時点で115人と2つの法人が登録していて、11の班に分かれて毎月1回草刈りやごみ拾いをしています。
「(活動から)13年くらいです」「今年で12年目です。400年も続く杉並木を守っていきたいと思ったので」
並木守の活動が始まってから十数年経ち、活動歴10年以上のベテランが多い中、若い世代の姿も見られます。
この班で最も若いのが、日光市に住む荻野成美さん(34)です。荻野さんは埼玉県生まれ。6歳の頃に父親の仕事の都合で、日光市に引っ越してきました。
身近にある、見慣れた風景の日光杉並木街道を文化財だと強く実感するようになったのは、小学6年生の頃でした。
「夏休みの宿題で、文化財をテーマにポスターを描き応募しました。修学旅行で見た鎌倉大仏を描いて(入選して)展示会場に行くと、日光杉並木街道が題材になっている絵が多かったんです。この地域にとっての文化財といえば、日光杉並木街道なんだと肌で感じた出来事でした」
その後、中学生の時、校外学習で杉並木の清掃活動をした経験から「自分にもできることがある」と思い、並木守に。アウトドアや自然が好きだったことも影響しました。
並木守の活動に感謝の気持ちを込めて、杉を所有する日光東照宮から年に1回贈られる絵馬は4枚目になりました。
ボランティアを続けている理由を聞くと「休憩の時間などに先輩の並木守と話をするのが楽しい」といいます。日光市外から来ている人もいて、住んでいる地域も年代もバラバラです。
「年上の人からの話・経験則を聞くのが好き。皆さん親切にしてくださって、そののおかげで(続けられている)」
並木守は長く続けているメンバーも多く、現在70代が最多と高齢化しています。
「ベテランの方がいるうちに、受け継ぐものは受け継いでいきたい。経験や、アクシデントの処置法など、元気な(次の)世代がつないでいけたらと思います」
荻野さんは「杉並木街道を守るぞ!」という志を持っている人はもちろんですが、若い世代が「何かいいことをしたい」「自然が好き」という気持ちで参加をしてくれることも大歓迎だと話します。400年続いたこの景観を次世代に引き継いでいくために並木守の活動は続きます。