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【高校野球栃木大会】脳梗塞乗り越え双子で挑む最後の夏 足利高校の中田選手

続いても球児の話題です。
大きな病を乗り越えて、双子で最後の夏に挑む選手がいます。

ファーストミットでチームメートとキャッチボールをする球児。
足利高校3年の中田陽己選手です。

夏の県大会では1年生からベンチ入りし、2025年の大会の初戦では7番ファーストでスタメン出場。
2点タイムリースリーベースヒットを放ち、勝利に貢献しました。

3年生の2026年は持ち前の明るさと学校で一番という足の速さを生かして不動のトップバッターとしてチームを引っ張ります。

野球を始めたのは小学2年生。
ここまで夢中になって白球を追いかけてきました。

そんな中田選手は中学1年生の1月、突然、病魔に襲われます。

自宅でトイレに行こうと立ち上がると、右手が動かず言葉も出ない状況に陥ったのです。
病院に緊急搬送され、MRIや脳波の検査を行うと、頸動脈解離を原因とする脳梗塞であることが判明。
緊急で脳の血管のバイパス手術を受けました。

さらに1週間後に2度目の脳梗塞を発症。
2カ月の長期入院を経験しました。

その後、治療やリハビリを続け、右半身に麻痺が残りながらも中学2年生に進級したころから、再び野球に取り組めるようになりました。

現在は血液をサラサラにする薬の服用は続いていますが部活に制限はなく、高校3年間の集大成へ、チームメートと調整を続けています。

足利高校3年 中田陽己選手:
「この1年間は特に3年生で話し合いを重ねてきた。試合でもコミュニケーションを取り、お互いに支えあって戦いたい」

足利高校3年 竹内羚大主将:
「(中田選手は)チームの雰囲気を上げてくれる選手。自分も暗くなってしまったとき中田選手に助けられた。中田選手自身も技術が上がって最高の選手になっている。大会ベスト8に行きたい。応援よろしくお願いします」

中田選手には、ずっと切磋琢磨してきた人がいます。
双子の弟で、栃木高校3年・野球部の啓斗さんです。

退院後はボールを握ることもままならない状態だった兄を励まし、キャッチボールをしたり一緒に体を動かしたりして復帰に向けて共に歩みました。

中田選手の双子の弟 栃木高校3年・中田啓斗選手:
「(キャッチボールの)最初に『暴投いっぱい行くからよろしく』と言われた。覚悟はできていたが本当にそこまでの暴投かと。横に飛んでいく感じで心が痛んだ。一日でも早く元通りプレーできるようサポートを全力でしたいと思った」

自分の状況を受け入れ、懸命にプレーする中田選手を家族も全力で支えてきました。

中田選手の母 中田早苗さん:
「(脳梗塞を発症したとき)ドッキリのように『嘘です』と、誰かが来るのではないかとずっと思っていた。退院してからいつもの日常に戻って前と違うと思った。決勝に二人で進んでほしい」

中田選手の父 中田智之さん:
「本人がどこまで回復できるか、ただただ不安と心配だった。ケガなく本人たちが思いっきり楽しくプレーできれば満足」

最後の夏。
脳梗塞を乗り越え、弟と共に野球を続けさせてくれた両親へ、中田選手は恩返しを誓っています。

足利高校3年 中田陽己選手:
「恩返しのホームランを打てる選手ではない。全力プレーを見てもらって感謝の気持ちを伝えたい」