×
Menu
とちテレHOME

栃木の今が分かる!!NEWS 栃木の今が分かる!!NEWS

県内ニュース

【報道特集】大切なペットの命つなぐ 日中も夜間も診療する獣医師に密着! 下野市

特集です。日々の生活に癒しを与えてくれる犬や猫などのペットは、飼育している人にとって家族化が進み、長く人生を共にするためには人間同様、医療の力が必要になります。下野市には、専門的なペット医療の提供と夜間救急を続ける動物病院があります。多くの命を救おうと奮闘する、獣医師に密着しました。

「おはようございます。診察室へどうぞ」

動物病院「しもつけVETセンター」には、午前9時の診療開始と同時に続々と飼い主と動物たちが訪れます。診るのは、院長の長哲(ちょう・さとし)さんです。

長院長は、下野市出身。愛知県の動物病院で経験を積み、14年前に地元で開業。シニア期の犬や猫にみられる腎臓機能の低下に伴う病気のスペシャリストで、かつ、命に直結する心臓など循環器の分野で学会が認定している県内唯一の獣医師として日々、奮闘しています。

この日は、約15匹の様々な症状の動物たちが訪れ、診察を終えたのは午後4時過ぎ。長院長、ようやく一休みです。

「いつもこんな感じです ありがたいことですけどね」

院長にとって特別な存在なのが、愛猫のステラちゃん。

「働き始めた愛知県の病院に「捨てら」れていたのでステラちゃんと名付けました。両目が悪くて、この子だけもらい手がいなかったんです。お世話していたのでそのまま飼い始めて、出会って20年ですね」

しかし、これで長院長の一日は終わりではありません。あたりも静まり返った午前1時半。真っ暗な病院に長院長が戻ってきました。これから始まるのは、深夜の救急診療です。

長院長は、2012年の開院以来、日中の診療と夜間の救急診療を続けていて、予約が入り次第自宅から駆け付けます。看護師も駆け付け、院長をサポート。

この日は宇都宮市からウサギを連れたパジャマ姿の若いカップルが訪れました。飼い始めて1年半のうさぴょんくんの目が突然細かく揺れ、まっすぐ立てなくなってしまったというのです。

「食べ物が食べられないと具合が悪くなるので、胃腸薬の注射と点滴を打たせていただきますね。もし改善しなければ、脳の病気や寄生虫の影響の可能性もあるので、処置しなければいけません」

治療を受けて、うさぴょんくん、徐々に落ち着いてきました。

(飼い主は)「ひどい症状ではなさそうなのでとりあえずよかったです。昼間まで待つのは怖かったので、この時間に診てもらえてよかった」

また別の日の午後10時、今度は小山市からチワワを抱えた女性の姿が。10歳のノアンちゃんが急に吐き戻しと血便が出たというのです。甘えん坊ではないそうですが、不安なのか…飼い主の腕に必死にしがみついています。

「心臓や肺の音は大丈夫そうですが、お腹がぎゅるぎゅるしていますね。力も入っている。(検査の結果)お腹の菌のバランスが崩れています。血液も検査しますね」

ノアンちゃん、大丈夫でしょうか…

「数値が跳ね上がっているわけではないですね。ただ、下痢と嘔吐があったので、お薬を飲ませるのは難しいと思うので、注射をしていきましょう」

吐き気止めの薬など3本の注射を頑張って耐えて、治療終了です。

(飼い主は)「嘔吐と血便一気にきたので、心配度マックスになって来ました。夜に具合が悪くなることが多いので、本当に助かります」

長院長は年間で300件から400件ほど夜間診療に対応。緊急の処置が必要になるケースも多いといいます。過去には急患が重なって診察室が足りず、受け入れを断らざるを得なかったこともあったため、今年4月に病院をリニューアルし受け入れ体制を整えました。

(この日は)「3件目なんですよ。無いときは無いのですが、重なるときは重なりますね」

県内では、夜間診療に対応している動物病院は少なく、長院長のように1人の獣医師が時間を問わず診察するというのは、珍しいといいます。

Q:こんなに頑張れるのはなぜ?
「(専門が)心臓など循環器で、心臓の悪い子は急に具合が悪くなることが多いです。血を吐いてしまったりとか。そういう子を助けるとなると、夜間救急だった。救える命は救いたいなと」

民間の市場調査では、ペットの家族化などを背景に関連市場の拡大が見込まれています。ペット医療の進化と長寿命化と大切な家族を守るニーズは多岐に渡り、今年は小山市や宇都宮市でも夜間に診療を行う病院が相次いで開院しました。

「ありがたいことです。自分もどうしても診療できないときがあるので、互いの病院で、そして地域で支え合うことが動物たちのためになる」

一匹でも多くの命を救うために今日もまた、この病院の明かりが灯ります。
画像1