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【報道特集】東武大田原店フィナーレに密着 今後新たな団らんの場誕生へ 関係者ら動き出す

8月31日で24年の歴史に幕を閉じた県北唯一の百貨店、東武宇都宮百貨店大田原店。

2002年9月6日に上野百貨店大田原店の跡地に、新しい郊外型の百貨店を目指してオープン。
売り場面積は当時県北最大の約1万2千平方メートルで、店内には150のショップが入居していました。
親子三世代で楽しめるようにブランド品から生活必需品まで幅広い商品を揃え、地域の人々に寄り添ってきました。

しかし売上は、2005年度の59億円をピークにその後は減少傾向に歯止めがかからず、昨年度は37億円に落ち込んでいました。
そして物価高や人件費の高騰、周辺に競合店が増えたことで運営が難しくなり、建物の賃貸契約が2027年2月末で終了するのに伴い閉店が決まりました。

閉店の前日。

24年間この場所で営業を続けてきた、鯛焼きやたこ焼きを実演で提供する富次郎です。
富次郎はこの店舗を含めて東武宇都宮店など県内各地で9店舗を展開していますが東武大田原店が最初にオープンした場所でした。

富次郎 岡田 佐知子 社長:
「会社の大きい小さいではなく人対人という思いで1号店としてスタートさせた。その思いで24年間ここまで継続できた」

富次郎 齊藤 弘行 取締役:
「『きょうもおいしかった』という声が本当に励みになっている。他の店舗にも足を運んでもらい、富次郎を忘れないでほしい」

こちらも東武大田原店で24年間、店を営んできた精肉店の山久です。
とちぎ和牛のサーロインステーキや地元ブランドの豚肉など百貨店ならではの高品質の商品を多数提供してきました。

山久 東武大田原店 圓谷 満 店長:
「『24年分のありがとう』と、山久のスローガン『笑顔・元気・親切』をモットーに、最後まで感謝の気持ちを込めて接客したい」

そして迎えた営業最終日。

午前10時の開店から約5分で駐車場は満車となり、別れを惜しむように次々と客が訪れました。
この場所で長年顔を合わせてきた従業員と利用客は、感謝を伝え合います。

訪れた人は:
「地元なので頻繁に来ている。閉店でとても寂しく思っている」

「月に何回か友だちと買い物をしてコーヒーを飲むのを楽しみにしていた。それがなくなってしまうのが残念」

「小さい頃から思い入れがある場所。店員とのふれあいや、素敵な物を購入できて
感謝しかない」

「子どもの成長とともに買い物させていただいたことを、今はとても感謝している」

富次郎はこの行列。
岡田社長らは1日中、止まることなく商品を提供し続けました。

山久の圓谷店長もショーケースの外に出て一人一人に感謝の言葉をかけ続けました。

そして午後7時。
全ての営業が終了し閉店の時間を迎えました。

店員:「長年のご愛顧、誠にありがとうございました。夜7時にて閉店します」

大田原店の職員、テナントの代表者らがシャッターの前に並ぶと大田原店をこれまで愛してきた地域住民ら千人が見守る中、高橋克彦店長(高=はしごだか)が、感謝を述べました。

東武宇都宮百貨店大田原店 高橋 克彦 店長:
「地域の皆さま、多くのお客さまに支えられてここまでやってこられた。これからは宇都宮店が県北を含め皆さまの要望に応えていく。引き続きよろしくお願いします」

利用客の別れを惜しむ声や感謝の声が飛び交う中、東武宇都宮百貨店大田原店は24年の歴史に幕を閉じました。

最終日は1万3千人が訪れ、売上は前年の同じ日と比べて約5倍を記録したということです。

東武宇都宮百貨店大田原店 高橋 克彦 店長:
「朝から閉店のぎりぎりまで、たくさんのお客様にお越しいただきうれしくありがたい気持ち。県北でできたお客さまとの絆を、今度は宇都宮店でいかにつながりを続けていくかが我々の使命。どんなことができるか県北のお客さまの言葉を忘れずに考えていく」

東武大田原店での営業を終えた富次郎の岡田社長は次に向けて動き始めています。

富次郎 岡田 佐知子 社長:
「最終日までたくさんのお客さまに足を運んでいただき、スタッフ一同感謝しかない。大田原地域で、何らかの形で営業できるチャンスを掴みたい」

さらに山久の圓谷店長は、東武大田原店でつながった人々の思いを引き継ぎ、今度は矢板店から新鮮な肉を届けます。

山久 矢板店 圓谷 満 店長:
「(9月)1日、 2日と片づけをしたが、本当になくなるのかと寂しい思い。大田原で実行していた楽しいお店作りを実行したい」

東武宇都宮百貨店では今後、県北地域でニーズが高かったお中元やお歳暮の時期に、臨時のギフトショップを開設することを検討しています。

また建物を所有する足利不動産によりますと、県内外の物販関係の複数の企業が建物の利用について関心を示しているといい、地域に貢献できる企業との契約を目指したいとしています。

24年間の歴史を紡いできた東武宇都宮百貨店大田原店はもうありませんが、思い出は消えることはありません。
店に関わってきた人々はそれぞれの思いを胸に、次の未来へ動き出しています。

県北地域で多くの人が集まる、新たな団らんの場所が誕生することを願って。