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母の戦争体験 娘が語り継ぐ 戦争体験者少なくなる中…宇都宮市で講演

今年は戦後から80年の節目を迎えます。戦争を体験した人が少なくなる中、憲法記念日の3日、戦争の悲劇を語り継ごうという講演会が宇都宮市で開かれました。

講演会は、戦争を知ることで平和について考えてもらおうと、戦争を放棄し、戦力を持たないことを定めた憲法9条を守ろうと活動している団体「九条の会・栃木」などが開いたものです。

戦争を体験した母親の遺志を継いで語り部として活動を続ける、栃木市在住の上野和子さんが講演しました。上野さんの母親・新崎美津子さんは、当時沖縄で教員をしていました。太平洋戦争中の8月、学童疎開船の「対馬丸」に妹や教え子たちと乗り、疎開先に向かっていましたが、その途中でアメリカ軍の攻撃により船が沈没し、およそ1500人が犠牲になりました。

「船に穴があいて、海の水が入ってきた。そして船が真っ二つに割れ、子どもたちも溺れてどうしたらよいか分からなかった。阿鼻叫喚、まさに地獄と表現していた。亡くなる前に話をするようになるまで、母は「子どもたちを死なせて私はなぜ生き残っているのか」と思っていた」

上野さんは「戦争は絶対にいけない」と訪れたおよそ250人に訴えました。

「『戦争は絶対にいけない』母が伝えてきたことを私がいっていかなくてはいけない。私たちの役目としては、平和への流れを崩さないように、よりよいものにしていかなくてはいけないと思います」