×
Menu
ニュース
番組一覧
出演者
プレゼント他
お知らせ・イベント
おすすめ動画
SNS一覧
災害情報
NOW ON AIR
05:20〜
県民の歌
番組表
ニュース
NEWS
県内ニュース
関東・東北豪雨から10年 遺族の女性が初めて息子のもとへ
栃木県などに甚大な被害をもたらした関東・東北豪雨。
10年前の2015年9月9日、台風から変わった温帯低気圧の影響で、栃木県の上空には多数の線状降水帯が次々と発生しました。
翌日、10日の未明には、県内で初めて大雨特別警報が発令され、11日にかけて記録的な大雨となりました。
この大雨の影響で、県内では3人が亡くなったほか、住宅は全壊や半壊、それに浸水など、合わせて6千500戸を超える被害が出ました。
作新学院中等部の体育教師、佐藤裕子さん64歳です。
4年前に定年を迎えましたが、現在も週に4日間、体育の講師として教壇に立ち続けています。
学校では「裕子先生」と呼ばれ、誰よりも元気に授業を行い、生徒から相談を受ければ、どんなことも笑い飛ばして励ましてくれるパワフルさが持ち味です。
いつも生徒に囲まれて、太陽のように周りの人に力を与えている佐藤さんですが、10年前、暗闇の中に放り込まれるような出来事が突然訪れました。
佐藤さんには息子が2人、娘が1人いました。
長男の悦史さんは、日光市内の障がい者支援施設で働いていました。
明るい性格で、人を笑顔にするのが得意だったといいます。
しかし、2015年9月10日。
豪雨で冠水した職場周辺で、率先して復旧作業を行っていた矢先に、排水溝に吸い込まれ、翌日、25歳の若さで帰らぬ人となりました。
先月末、佐藤さんの自宅では悦史さんの10回忌が行われ、悦史さんの弟と妹、離れて暮らす家族も駆け付けて、皆で悦史さんを悼みました。
佐藤 裕子さん:
「『10年か』というのと『もう10年』というのが入り混じる。一日も息子を忘れたことはない。名前を呼ばなかった日はない。10年経って息子がいなくなった悲しみは癒えないけど、息子が近くに感じる生活ができている」
この10年、佐藤さんの心の中では、いつも悦史さんと二人三脚の思いで歩んできました。
事故の直後から佐藤さんは、亡き崩れる日々が長く続きましたが、悦史さんの死を通して、教えられたことがありました。
佐藤 裕子さん:
「『母さん教師でしょ』と。『母さんができることは子どもを先に失う悲しさ、そういう思いをしたからこそ分かったこととかあるでしょ』と。『生徒に命の重さや大切さを伝えるのは母さんじゃない』って息子が教えてくれたなと。それを全うしようという思いで立ち上がって、5年過ぎ、そして退職の時を迎えて、その後もその気持ちは常に持って子どもと接するようにしていました」
悦史さんから教わった、教師として子どもたちに「命の大切さを教える」こと。
この日、佐藤さんは間近に控えた運動会に向けて、2年生のクラスを指導していました。
佐藤さんは生徒に「生きていること」を感じながら、全力で今を楽しんでほしいと呼びかけます。
佐藤 裕子さん:
「この仲間と一緒に何かを作り上げる、この仲間と何かをやり遂げる。こういう時間は長い人生の中ですごく大事な時間。『ある命を精一杯生き抜く』ということで頑張っていきましょう」
佐藤 裕子さん:
「子どもたちが日常生活の中で簡単に『死ね』という言葉を飛び交わせることが多い。その時が出番だと思って『ちょっと待って』と。命が消えるという本当の意味を私の体験を通して子どもに伝える。その時が『母さん教師だろう?今だろう?』っていうのが聞こえる。『これだ』って思って伝える」
佐藤 裕子さん:
「命の重さっていうのを伝えると、生徒たちも、さっきまでガチャガチャしていた雰囲気が、スーッと浸透していく音を感じる。息子が言ったことを、私の口を通して今生きている現在頑張っている生徒たちに、通じてくれいているのを感じる時が一番嬉しい」]
なぜ息子が亡くならなければならなかったのか。
佐藤さんはあの日から10年経つ今年、ある決心をしました。
当時の状況を知るため、悦史さんが犠牲となった場所に初めて訪れたのです。
事故が起きてから5年ほどは、亡くなった場所を見るのも怖くて近くを通ることもできなかったと話します。
長い月日を経て、息子に会いたいという思いが心を動かしました。
佐藤 裕子さん:
「10年目にして会いに来ました。よっちん大変だったね。でもやっとお母さんもここに来れたよ。10年前苦しかったけどね、皆のために働いて偉かったね。今日ここへ来て、鳥肌が立つ思いがしますが、最初はこっちを見るのも怖かった。でもこの地に足を踏み入れるのはなかなか勇気が出なかったけど、悦が最後力を振り絞って生き抜いた場所に10年経ったった今、足を踏み入れて花を手向けられたというのは、時間が心の中を整理してくれたのかなとも感じるし、悦に会いにこれて良かったなと思います」
悦史さんは、佐藤さんが勤務する作新学院中等部の生徒でもあり、当時は陸上部の顧問と部員の間柄でもありました。
佐藤さんは部活の時間に重要なことを伝えていました。
佐藤 裕子さん:
「『年長者が動いていたらすぐに手伝うんだよ』って言い続けていた気がするので。それを懸命にやったんだなって感じられたので。ちゃんと私が伝えていたことをやって逝ったんだなって思えた瞬間だったかなと思いました」
息子がいないという現実は、10年が経とうとも空虚な気持ちを埋めることはできませんが、佐藤さんは悦史さんが残してくれた沢山の絆に支えられて、今、前を向いて歩いています。
佐藤 裕子さん:
「お友達が毎年のように悦に会いに来てくれる。そこで悦の思い出話を聞かせてくれたり。そこで最初は笑えなかったけれど癒されていった。だから来られたのかなっていうのも思います」
佐藤さんは今、災害で大切な家族を失った一人として、そして子どもたちを導く教師としてこう話します。
佐藤 裕子さん:
「災害で命を守る行動っていうのは、情報をいち早く察知して、情報が出たのであれば、そこに向かわない、そこを避ける行動をとるのが第一優先だと思う。命を守る行動はなかなか難しいとは思うが、そういう場所に近付かないとか、そういうときは外に出ないとか、そういう選択ができればいいと思う。生徒にもそうしてほしい」
2025年09月09日
県内ニュース
矢板市 福島第一原発事故発生後の「指定廃棄物」集約先と処分について方針固める 栃木
東京電力福島第一原子力発電所の事故で発生した放射性物質を含んだ指定廃棄物につい…
2025年09月09日
県内ニュース
栃木県の9月補正予算で知事が各会派に回答
福田富一栃木県知事は9日、県議会の5つの会派から出された9月の補正予算案への要…
2025年09月09日
県内ニュース
「わたSHIGA輝く国スポ」の栃木県選手団が結団式
9月28日から滋賀県で開かれる、国民スポーツ大会に出場する栃木県選手団の結団式…
2025年09月09日
県内ニュース
被災者の立場になって炊き出しを体験 上三川の本郷北小で防災授業
10年前のきょう9日、関東東北豪雨が発生し栃木県などに甚大な被害をもたらしまし…
2025年09月09日
ニュース一覧はこちら
おすすめ番組
RECOMMENDED PROGRAM
魅せます!とちブラ〜とちぎブランド・ぶらり〜
カミナリのチャリ旅!
U字工事の旅!発見
激アツとちテレJリーグ中継
まるわかり!とちぎ
番組一覧はこちら
お知らせ・イベント
INFORMATION / EVENT
債券投資+投資信託を学ぶ「資産運用セミナー」参加者募集!
2025年09月13日
第21回 北綜警CUP 2025 栃木県女子アマチュアゴルフ選手権 参加者募集!!
2025年09月12日
第1回 Good Luck! Open Golf Cup 2025 〜視聴者参加型オープンコンペ〜
2025年09月04日
とちテレ番組ガイド9月号公開中!
2025年08月25日
仕事場の仲間で「手話でシュワッチ」に参加しませんか?
2025年08月25日
第263回放送番組審議会の公表について
2025年08月21日
お知らせ・イベント一覧はこちら
おすすめ動画
RECOMMENDED MOVIE
『5いっしょ3ちゃんねる』RAP CM 第1弾!!
U字工事の旅!発見#303 常陸国出雲大社 〜茨城県・笠間市〜
DB芸人!力の大会!七番勝負! その6
とちテレ公式アーカイブチャンネル
とちテレ公式チャンネル